この本が好きな人は、器が大きい。
それを気づけただけで得られたものは大きいんじゃないか。
Fさんの著作『20代で得た知見』、
わたしはイライラしてしまった。
特に後半はずっとイライラしながら読んでいた気がする。内容が記憶に残らないほどに。
だからわたしの器は小さい。
一応、イライラした理由をお伝えすると「した方がいい」「したらよろしい」とアドバイスみたいな表現が180項目ほど続くから。
そもそもこの本は作者が出会った人々に「20代のうちに知っておいた方がいいことはなんですか?」と訊ねた結果の集まりなので、どうしてもアドバイスになってしまうのは仕方がない。
ただ…この本の面白いところでもあるのだけれど、「どんな人が」「どんな時に困っていて」「どうやって解決した」かが極めて分かりにくく書かれている。
分かりにくいというか「文学的」に書かれている。
なので出会い頭、唐突に「したらよろしい」と言われるので、こちらは「は?なんのこっちゃ?」と思ってしまう。
どこの誰だか分からんヤツに、悩みを話したこともない、そもそも悩んでいない時だってあるのに、急にアドバイスされる…そう、立ち飲み屋でたまたま隣になったオジサマから急に説教されたりアドバイスされる感じ。ただ髪を切りに行っただけなのに、たいして深刻に抱えてなかった悩みを引っ張り出されて「自分は正しい」と言わんばかりにアドバイスされてリラックスできなくなる美容室にとても近い。
「アドバイスとは求められて初めて効果を表す。」
たとえ善意であっても、誰かにアドバイスするということは、「あなたは間違っています」「私はあなたより多くのことを知っています」って表明に過ぎないんだよな。結局はその人が、ウジウジしてる人を見ていられない、我慢できないってだけ。その解消のためにアドバイスして、感謝されることを求める。
— ぱわぽん@サイゼ豪遊会7/12川崎7/13赤羽 (@pawapongASD) June 23, 2025
その通りだと思う。
だからこの本の内容はわたしには必要ない内容だったのかも。
全体的に「恋愛」にまつわる話題が多かったので、恋愛についての知見を学びたい方はグッとくるかもしれません。
この本を読んでも全くイライラしなかった方は、相手の言葉から「あなたは間違っています」とか「私はあなたより多くのことを知っています」というマウントを感じない、マウントだと捉えない、素直で、フラットで、器の大きい方です。
もっというと「他者との境界線をはっきりさせている方」です。
「自分に芯がある方」かもしれません。
とっても素晴らしい。うらやましい。
他者の知見なんて必要ないのかもしれません。
どうぞそのままのあなたで人生を楽しんでくださいませ。
『20代で得た知見』は読むと自分の器の大きさが分かる一冊。
知見の内容よりも、わたしにとってはそちらが大きな意味となりました。